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初めての伊坂幸太郎作品に『チルドレン』をおすすめする理由

※本記事には作品のあらすじの紹介と、多少のネタバレを含みます。

伊坂幸太郎さんの作品に興味はあるけれど、どれから読めばいいか迷っている方におすすめしたいのが『チルドレン』です。

この作品は、2004年5月に講談社から刊行され、2007年5月に講談社文庫として文庫化された連作短編集です。

2005年には第2回本屋大賞で第5位に選ばれ、第56回日本推理作家協会賞短編部門の候補作にもなった、伊坂作品の魅力を存分に味わえる一冊です。

チルドレン (講談社文庫)

jaquetdroz661.com

 

あらすじと見どころ

本作は5つの短編「バンク」「チルドレン」「レトリーバー」「チルドレンII」「イン」から成る連作短編集で、物語の中心となるのは、破天荒ながらも憎めない男・陣内です。

彼は型破りな発言と行動で周囲を翻弄しながらも、どこか人を惹きつける不思議な魅力を持っています。

第一話「バンク」

大学生の鴨居が友人の陣内と閉店間際の銀行を訪れたとき、突如として銀行強盗に遭遇します。

二人の強盗犯は大きめのサングラスと、塗装工が使うようなマスクで顔を隠していました。

鴨居や陣内を含む4人の客と8人の銀行員がロープで縛られ、アニメキャラクターのお面をつけられるという異様な状況に。

緊迫する状況の中、盲目の青年・永瀬はトイレに行きたいと申し出て、鴨居に付き添いを頼みます。

するとトイレで永瀬は、驚くべき推理を鴨居に告げるのです。

視覚に頼らず声の調子や気配から周囲を把握する永瀬の洞察力と、陣内の常識外れな行動が、この事件を予想外の展開へと導いていきます。

物語の構成

時系列としては、「バンク」「レトリーバー」「イン」がほぼ同じ時代を描き、「チルドレン」「チルドレンII」では、前述の3作品より後の時代、陣内が家庭裁判所の調査官になってからの物語が描かれています。

家裁調査官となった陣内の後輩・武藤は、万引きで補導された少年・木原志朗を担当することになります。

志朗の父親に対する様子に違和感を抱いた武藤は、少年の心の奥に隠された秘密に気づいていくのです。

また、盲目の青年・永瀬との出会いでは、陣内の型破りな優しさが光ります。

「視覚に頼らずとも世界は楽しめる」という彼の持論が、永瀬の世界を少しずつ変えていくのです。

永瀬の恋人・優子は、盲導犬のベスに対して嫉妬心を覚えるという人間らしい感情を持ちながらも、永瀬に周りの景色や様々な情報を提供し続けます。

伏線の妙

さらに、本作の大きな魅力は、各短編が単独でも楽しめるだけでなく、読んでいくうちに少しずつ登場人物の関係や出来事が繋がっていく点です。

伊坂幸太郎さん自身が「短編集のふりをした長編小説」と述べているように、最初は何気ないエピソードだったものが、後の話で重要な意味を持つことに気づくと、まるでパズルのピースがぴたりとはまるような爽快感が味わえます。

伊坂幸太郎作品の魅力とは?

伊坂幸太郎さんの作品の特徴は、テンポの良い会話劇、予測不能なストーリー、そして魅力的なキャラクターです。

『チルドレン』には、まさにそのすべてが詰まっています。

陣内のユーモラスでありながらも核心を突く発言は、読者をクスリと笑わせつつも深く考えさせられるものがあります。

例えば、陣内は「俺たちは奇跡を起こすんだ」と豪語し、「人は理由なく人を助けるべきだ」という独自の正義感を振りかざします。

また、「子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ」という陣内の言葉は、本作のタイトルの意味を示唆する印象的なセリフです。

また、伊坂作品に共通する要素として、「極悪非道な悪人が登場しない」という点も挙げられます。

本作でも、登場するキャラクターは皆、それぞれの事情を抱えながらもどこか憎めない存在です。

陣内の破天荒な言動によって、彼らの本音や優しさが引き出されていく展開は、読んでいて心を温かくしてくれます。

 

連作短編集だからこその読みやすさ

『チルドレン』は短編集なので、一つひとつの話が比較的コンパクトにまとまっています。

全352ページ(講談社文庫版)で、各話が適度な長さに収まっているため、長編小説に比べて、1つの章を気軽に読めるのです。

初めて伊坂作品に触れる方、また普段あまり読書をしない方にもおすすめできます。

また、物語の語り手が各話で変わるため、それぞれの視点から見た陣内の姿や考え方の違いを楽しむこともできます。

鴨居、武藤、永瀬、優子といった登場人物によって彼の印象が異なるのも、本作のユニークなポイントです。

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映像化作品について

本作は2006年5月にWOWOW「ドラマW」で『CHiLDREN チルドレン』としてテレビドラマ化され、同年11月には劇場公開もされました。

監督は源孝志さん、脚本は後藤法子さんと源孝志さんが担当し、第33回放送文化基金賞番組部門テレビドラマ番組賞を受賞しています。

キャスト

  • 武藤俊介役:坂口憲二さん
  • 陣内達也役:大森南朋さん
  • 青木美春役:小西真奈美さん
  • 永瀬政人役:加瀬亮さん
  • 木原志朗役:三浦春馬さん
  • 木原周五郎役:國村隼さん

特に、武藤役の坂口憲二さんと陣内役の大森南朋さんの配役は「ハマりすぎている」と高い評価を受けました。

また、小西真奈美さんが演じる美春の高校時代を、若き日の吉高由里子さんが演じているのも見どころの一つです。

エンディングテーマはキリンジさんの「影の唄」が使用され、作品の雰囲気にぴったりとマッチしています。

舞台化

また、2014年2月には東京ハートブレイカーズによって舞台化もされ、吉祥寺スターパインズカフェで上演されました。

舞台には実際の盲導犬が登場するという意欲的な演出が話題になりました。

続編『サブマリン』について

『チルドレン』刊行から12年後の2016年3月、続編となる長編小説『サブマリン』が講談社から刊行されています。

伊坂幸太郎さんは当初、続編を書くつもりはなかったそうですが、「陣内だったら今どうするだろう」というやりきれない少年事件が現実に起きたことなどをきっかけに、「『チルドレン』を読んで面白いと思ってくれた読者のために、今度は長編でやろう、エンターテインメントとして挑戦してみよう」と思い立ったとのことです。

『サブマリン』では、家庭裁判所調査官となった陣内と武藤が再びコンビを組み、無免許事故を起こした19歳の少年や、ネットの犯行予告の真偽を見破れると言い出す15歳のパソコン少年など、新たな「少年」たちと向き合います。

交通事故の加害者と被害者が抱えるそれぞれの思い、どうにも割り切れない感情が描かれた、深くて重い物語になっています。

『チルドレン』を楽しんだ方には、ぜひ『サブマリン』も読んでいただきたいです。

2作にわたる伏線回収のような構成になっており、伊坂幸太郎さん作品らしい楽しさが倍増します。

こんな人におすすめ

  • ユーモアのある会話劇が好きな人
  • 心が温まる物語を求めている人
  • 短編集で気軽に読める作品を探している人
  • 伊坂幸太郎さん作品を初めて読む人
  • 伏線やストーリーの繋がりを楽しみたい人
  • 映像化された作品の原作を読みたい人

おわりに

『チルドレン』は、軽快なテンポと独特のキャラクターが魅力の作品です。

初めて伊坂作品を読む方でも楽しみやすい一冊なので、ぜひ手に取ってみてください。

陣内の考え方が本当に魅力的で、ページをめくる手が止まりません。

1章完結なのも読みやすいポイントです。

本当に文字を読んで眠くなる人にも、この本はおすすめします。

チルドレン (講談社文庫)

 

そして、かなりの期間をあけて発売された続編『サブマリン』も、ぜひ読んでみてください。

サブマリン (講談社文庫) Kindle版

 

この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。

 

おわり

 

ジャケドロ661

 

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