忖度なき信念が、鎌倉の闇を切り裂く——累計370万部の警察小説シリーズ最新作
警察小説の第一人者・今野敏さんが、累計370万部突破の大ヒットシリーズ最新作を届けてくれました。
『分水―隠蔽捜査〈11〉』は、原理原則を貫く信念の警察官僚・竜崎伸也が鎌倉の難事件に挑む、シリーズ第11弾です。
鎌倉署管内で発生した不審火。
燃えたのは、女性スキャンダルで週刊誌に追われている大物政治家の自宅でした。
権力者への忖度が捜査を妨げる中、事態は殺人事件へと発展します。
竜崎のライバル・八島との緊迫の攻防、そして社会派ユーチューバーが絡む現代的な要素——。
シリーズを通じて磨かれてきた竜崎の信念と、その周囲を取り巻く人間模様が、今作でも丁寧に描かれています。
スピード感のある展開とテンポのよさから、評価が高いシリーズとして知られています。
あらすじ
主人公・竜崎伸也は、東大法学部卒のキャリア警察官僚。
現在は神奈川県警刑事部長として職務にあたっています。
愛想なく、冗談ひとつ言わない。
しかし、原理原則を遵守するその姿勢が、周囲から〈変人〉という称号を与えられながらも、最も頼りになる警察官僚として知られる理由です。
エリートは国家を守るため、身を捧げるべきだ——。
竜崎の信条は、シリーズを通じて一切ぶれることがありません。
ある夜、鎌倉署管内にて不審火が発生します。
鶴岡八幡宮近く。
そこは4代続く政治家の家でした。
女性スキャンダルで週刊誌に追われている大物政治家の自宅が燃えたのです。
2人がまだ現役という、鎌倉で絶大な影響力を持つ家柄です。
鎌倉警察署と神奈川県警本部が臨場する中、竜崎のライバル・八島が動きます。
同期入庁試験トップでありながら、黒い噂がつきまとう男。
福岡県警から赴任してきた八島と、所轄の権力者への忖度が、通常捜査を静かに、しかし確実に妨げていきます。
捜査線上に浮上するのは、社会派ユーチューバーのよしかず。
しかし、そこへ新たな殺人事件が発生し、事態は思わぬ方向へと動き出します。
政治、権力、スキャンダル——。
竜崎が挑む難事件の行方は、詳細は書籍でご確認ください。
著者について
今野敏(こんの・びん)さんは、1955年北海道生まれの小説家です。
上智大学在学中の1978年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。
レコード会社勤務を経て執筆に専念されたという経歴も、ユニークといえます。
主な受賞歴としては、2006年に『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を受賞。
2008年には『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞しています。
2017年には「隠蔽捜査」シリーズ全体で吉川英治文庫賞を、2024年にはミステリー文学の発展に著しく寄与したとして日本ミステリー文学大賞を受賞されています。
手がける作品は幅広く、「隠蔽捜査」シリーズのほか、「警視庁強行犯係・樋口顕」シリーズ、「任侠」シリーズ、「琉球空手」シリーズなど、さまざまなタイプのエンターテインメントを世に送り出しています。
警察小説の書き手としての評価が特に高く、警察庁のキャリア官僚の活躍を描くという切り口で、それまでの警察小説の歴史を変えたとも言われています。
近著には『エンドロール 警視庁FCIII』、『職分』、『白露 警視庁強行犯係・樋口顕』などがあります。
読みどころ
大物政治家vs竜崎伸也——忖度なき捜査の緊張感
本作最大の見どころのひとつは、竜崎と大物政治家の攻防です。
4代続く政治家の家。
女性スキャンダルという弱点を抱えながらも、絶大な権力を持つ人物に対し、周囲は忖度の姿勢を見せます。
鎌倉警察署も、神奈川県警の一部も——。
しかし、竜崎は違います。
相手が政治家であろうと、原理原則を曲げることはありません。
権力者への忖度が通常捜査を妨げる緊張感の中で、信念を貫く竜崎の姿は、シリーズを通じて一貫しており、今作でも読者から評価されるポイントといえます。
捜査が妨げられるたびに、竜崎の原理原則がくっきりと浮かび上がる——。
その対比が、読み応えのある緊張感を生み出しています。
竜崎のライバル・八島との攻防
今作で存在感を放つのが、竜崎のライバル・八島です。
同期入庁試験トップという輝かしい経歴を持ちながら、黒い噂がつきまとう男。
福岡県警から神奈川県警へと赴任してきた八島は、竜崎とは対極的な立ち位置をとります。
竜崎が原理原則を貫くのに対し、八島はどこか権力の側に傾きながら動く。
ふたりの同期が、同じ事件を前にして全く異なる行動をとる——。
その対比が、組織としての警察の複雑さを浮き彫りにします。
竜崎と八島のやり取りは、本作の読みどころのひとつとして評価が高い部分です。
キャリア警察官僚同士の矜持と駆け引き。
詳細は書籍でご確認ください。
社会派ユーチューバーと、コミカルな人間模様
今作では、社会派ユーチューバー・よしかずという現代的なキャラクターが登場します。
デジタル時代の情報発信と警察捜査の交差点——。
現代ならではの要素が取り入れられており、シリーズに新鮮な空気をもたらしています。
また、事件そのものよりも、竜崎を取り巻く人々や鎌倉警察署の動き・対応などが今作の中心となっています。
同期の人物たちの動きが、割合コミカルな感じで語られているのも特徴のひとつです。
シリアスな展開の中に、ユーモアが自然に溶け込んでいます。
緊迫感と笑いが共存する——。
それが、「隠蔽捜査」シリーズの安定した魅力といえます。
こんな人におすすめ
警察小説が好きな方
今野敏さんは、警察小説の第一人者として高く評価されている作家さんです。
『分水―隠蔽捜査〈11〉』は、警察庁のキャリア官僚の活躍を描いた本格警察小説。
現場の刑事が活躍する従来型の警察小説とは一線を画す、組織の内側からの視点が魅力です。
警察小説が好きで、新たな切り口を探している方に、特に向いている作品といえます。
組織内部の葛藤・人間関係を描いた作品が好きな方
「隠蔽捜査」シリーズは、警察組織内部の軋轢を丁寧に描くことで高い評価を得ています。
保身に走る上層部、上からの命令に苦慮する現場指揮官、混乱する捜査本部——。
組織としての判断、キャリアとしての矜持。
そうした要素に興味がある方には、特に楽しめる作品です。
今作では、権力者への忖度という現代的なテーマが前面に出ており、組織の歪みを鋭く描き出しています。
信念を貫く主人公に魅力を感じる方
竜崎伸也は、孤立無援になっても信念を曲げない主人公です。
周囲から〈変人〉と呼ばれながら、国家のために正しいことを貫く。
その朴念仁ぶりが、痛快さと共に清々しさをもたらします。
正義を貫く主人公の物語に共感を覚える方に、特に評価が高いシリーズです。
シリーズ11作目にして、竜崎の信念はより深みを増しているといえます。
長く続くシリーズを楽しみたい方
「隠蔽捜査」シリーズは、長編11作、短編集3作を誇る大型シリーズです。
刊行順がそのまま時系列順になっているため、第1作から順に読み進めるのがおすすめです。
スピンオフ短編集も充実しており、竜崎以外の視点で語られる物語も楽しめます。
長く付き合えるシリーズを探している方にとって、理想的な選択肢のひとつでしょう。
注意点
シリーズ11作目——第1作からの読書がおすすめ
本作は「隠蔽捜査」シリーズ第11弾です。
竜崎伸也のキャラクターや、周囲の人物関係については、第1作から積み重ねられてきた背景があります。
本作から読み始めることも可能ですが、竜崎伸也という人物の魅力を最大限に楽しむためには、第1作『隠蔽捜査』から読み進めるのがおすすめです。
第1作から順に読むことで、竜崎の成長や人間関係の深まりをより豊かに味わうことができます。
シリーズを通じた文学賞の受賞歴も、そのクオリティの高さを裏付けています。
事件展開よりも人間模様が中心
今作は、事件そのものよりも、竜崎を取り巻く人々や鎌倉警察署の動き・対応などが物語の中心となっています。
目まぐるしい事件展開や、アクション色の強い展開を期待する方には、やや物足りなく感じる可能性があります。
一方で、組織の中での人間模様や、登場人物たちの思惑が丁寧に描かれることを楽しめる方には、読み応えのある作品といえます。
警察組織の内側を静かに、しかし鋭く描く——。
それが今野敏さんの作風の真骨頂です。
おわりに
信念の警察官僚・竜崎伸也の新たな闘いを描く
『分水―隠蔽捜査〈11〉』は、累計370万部突破の大ヒットシリーズの最新作として、多くの読者から注目を集めています。
竜崎伸也vs大物政治家。
暗夜の死体とスキャンダルを巡る緊迫の攻防戦——。
激震走る鎌倉で、竜崎が難事件に挑む姿は、シリーズを愛する読者の期待に応える仕上がりといえます。
安定した面白さ、スピード感とテンポのよさ。
部下の信頼、魅力的な脇役、そして竜崎の妻・冴子の存在感。
緊迫感の中に正義を貫く竜崎の姿——。
これらが読者から評価されるポイントとして挙げられています。
シリーズを読み続けてきた方はもちろん、今作をきっかけに第1作から読み始めるのも、十分な楽しみ方といえます。
「隠蔽捜査」シリーズは刊行順が時系列順になっているため、第1作から順に読み進めるのがおすすめです。
原理原則を貫く竜崎伸也の信念が、権力と忖度の渦巻く世界でどのように輝くのか——。
その答えは、ぜひ書籍でご確認ください。
この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。
おわり
ジャケドロ661
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