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【おすすめ漫画紹介】横山光輝さんの『史記』|あらすじなどをご紹介!

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壮大な中国古代史を描いた歴史漫画の金字塔

横山光輝さん『史記』は、中国前漢時代の歴史家・司馬遷による歴史書『史記』を原作とした長編歴史漫画です。

1992年から1997年にかけて潮出版社「希望コミックス」より全15巻が刊行されました。

本記事では、横山光輝さんの史記についてあらすじなどをご紹介します!

横山光輝生誕90周年記念電子出版「Selected Works」 史記(1)

 

作品概要

『史記』は、春秋戦国時代から秦の始皇帝による統一、さらに漢帝国の成立まで、およそ300年以上にわたる中国古代史の流れを、実在の人物たちの生き様を通じて描いた作品。

司馬遷の原作『史記』の構成に倣い、「本紀」「列伝」「世家」「書」「表」のうち、とくに「本紀」と「列伝」に焦点を当て、人物伝的な手法で物語を進行させています。

登場人物は約1800人に及び、秦の始皇帝、項羽、劉邦、韓信、呂后など、歴史を動かした英雄・英傑たちの人物像を軸に展開される。

また、忠臣や謀略家、策略に長けた軍師たちも数多く登場し、それぞれの視点から激動の時代が描かれています。


史記の中でも、おすすめしたい人物たち

項羽―悲劇の覇王としての魅力

『史記』の中でも特に強い印象を残す人物の一人が項羽である。

楚の名門に生まれ、並外れた武勇とカリスマ性を持つ項羽は、秦末の混乱期に現れ、反乱軍を率いて秦を打倒する立役者となります。
漫画では、彼の豪胆さや義理堅さが印象的に描かれており、同時に決断力の欠如や戦略面での弱さが悲劇を生む要因として表現されています。
特に劉邦との対立関係は、読者に人間の器量と時代の流れの無常さを感じさせる名場面が多く、彼の最期には強い感情を呼び起こされます。

韓信―冷静な戦略家、そして非業の最期

戦術家として際立った存在である韓信も、『史記』において欠かせない重要人物。

貧しい出自ながら、劉邦に仕えて数々の戦いを勝利に導いた韓信は、「戦神」とも称される軍事的才能を発揮します。


横山光輝さんの描写では、冷静沈着で理知的な人物像が強調されており、敵の裏をかく大胆な戦略や部下の心理を読んだ采配など、現代のビジネス書にも通じるような洞察力が随所に見られます。


しかし、絶大な功績を挙げたにもかかわらず、後に疑心と権力闘争の中で粛清されるという結末も描かれており、成功と没落の対比が印象深い人物です。

呂不韋―野心家であり政治家、そして悲運の影の主役

呂不韋は、『史記』において秦の政(後の始皇帝)の誕生と台頭に深く関わった重要人物として描かれています。

元は商人でありながら、その先見性と政治的才覚をもって当時の秦国王族に接近し、やがて丞相として権力を掌握するまでに至った。

 

横山光輝さんの描写では、呂不韋は極めて現実主義的で、冷静かつ計算高い人物として描かれる一方、国の未来を考える姿勢も持ち合わせています。

若き政の後見人として国家運営を支えるが、その立場が逆に彼の没落を招く伏線となっています。

その生涯は栄光と失墜の落差に満ちており、「歴史に翻弄された男」として読者に強い印象を残す存在です。

始皇帝―中華統一を果たした絶対的支配者の実像

始皇帝(政)は、中国史上初めて全土を統一した秦の初代皇帝であり、『史記』の中でも特に象徴的な存在です。


横山光輝さんの『史記』では、彼の少年期から描写されており、複雑な出生や政争の中で育った彼の冷徹さと強い意志の形成過程が丁寧に描かれています。

皇帝となって以降は、法と秩序を徹底し、中央集権体制の確立、度量衡の統一、文字・貨幣制度の整備など、歴史的業績を次々に成し遂げていきます。
一方で、焚書坑儒や重税、過酷な労役など、苛烈な統治も描かれており、民衆の視点からは「暴君」としても見える複雑な人物像が浮かび上がります。

その統一の偉業と、その後の急激な崩壊を対比的に描くことで、権力の光と影が際立つ構成となっています。


漫画の特徴と評価

横山光輝さんならではの重厚な画風と丁寧な時代考証が特徴であり、人物の心情や戦略の駆け引きが克明に表現されています。

全体として勧善懲悪の単純な構図にはせず、人間の強さと弱さ、栄光と没落を描くことで、読者に深い歴史的理解と人間ドラマとしての魅力を提供しています。

また、漫画としての読みやすさも意識されており、歴史に不慣れな読者でも登場人物の相関関係や時代背景が把握しやすい構成となっている。教養漫画としての側面も強く、歴史好きの読者だけでなく、教育現場での資料としても評価されています。


横山光輝さんと歴史漫画

横山光輝さんは『三国志』『項羽と劉邦』『水滸伝』など、中国歴史を題材にした作品を数多く手がけており、『史記』はその集大成ともいえる作品。

膨大な人物と事件を整理し、ひとつの流れとして描ききった手腕は高く評価されており、現在でも多くの読者に親しまれています。


司馬遷について

『史記』の作者である司馬遷(しばせん)は、前漢時代の歴史家・思想家。

彼は太史令という官職にあり、父から受け継いだ史書編纂の意志を継いで『史記』の執筆に着手した。


しかし、その道のりは平坦ではなかった。

李陵事件において意見を述べたことにより宮刑を受け、その屈辱の中で『史記』を完成させたとされている。
彼の史観は、単なる王朝の正統性を記すにとどまらず、敗者や異端の人物にも光を当てた点に大きな特徴があります。

司馬遷の思想と筆致は、横山光輝さんの漫画にも深く影響を与えており、その人物選びや構成に反映されています。


おわりに

横山光輝さん『史記』は、中国古代史の壮大なスケールと人物たちの人間ドラマを融合させた歴史漫画の傑作です。

教養としての価値を持ちつつも、エンターテインメントとしての魅力にも優れており、幅広い層におすすめできる作品です!

 

キングダムで馴染のある期間の歴史を学べる、とてもおもしろい漫画です!

Kindle Unlimitedの読み放題対象となっていますので

お得に読めるときに是非読み進めてみてください!

横山光輝生誕90周年記念電子出版「Selected Works」 史記(1)

 

おわり

 

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