【おすすめ漫画紹介】『しょせん他人事ですから～とある弁護士の本音の仕事～』｜あらすじなどをご紹介

理不尽な現実と闘う人々に寄り添う、法廷ヒューマンドラマ

『しょせん他人事ですから～とある弁護士の本音の仕事～』は、左藤真通さんによる社会派漫画作品です。

黒蜜コミックスより刊行されており、2025年7月現在で既刊9巻が発行されています。

法律や裁判をテーマにした本作は、ブラック企業や労働問題、ハラスメントなど、現代社会で多くの人が直面する“理不尽”を題材に、弁護士の視点から深く切り込むストーリーとなっています。

物語の主人公は、保田理（やすだおさむ）。保田法律事務所の所長であり、弁護士として多くの案件を手掛けてきた人物です。

クレープなどの甘いものが好きという一面を持ちながらも、飄々とした態度や突き放したような言動によって、初対面の相談者からは冷たい印象を持たれることもあります。

しかし、彼の発言は核心を突いており、問題の本質を見極める鋭さを備えています。

そのため、相談に来た人が怒ってしまうことも少なくありませんが、案件を解決した依頼人からは厚い信頼と高い評価を受けています。

口コミ評価も極端で、最低評価と最高評価が混在する、まさに“本音の弁護士”として描かれています。

保田は依頼人に対して飾らず本音で接し、時には冷静に、時には毒舌で現実を突きつけながらも、依頼人の立場に立った解決を目指していきます。

保田が扱う案件は、パワハラやセクハラ、不当解雇など、まさに現代日本で問題となっている事案ばかり。

単なる法廷ドラマにとどまらず、「働くこと」「生きること」の厳しさと尊さを描いた、社会と個人を見つめ直す作品となっています。

本作の大きな魅力は、問題の背景にある人間関係や社会構造を丁寧に描いている点です。

依頼人だけでなく、加害者側の事情や社会の矛盾も取り上げることで、単純な善悪二元論では語れない現実を浮き彫りにします。

裁判に勝つことだけが正義ではない。

真の解決とは何か、法の役割とは何か――読者は保田の視点を通じて、現実の厳しさと向き合いながらも、人としての在り方を問われることになります。

20代から30代の若年層にとって、就職や働き方の不安、人間関係の悩みは非常に身近な問題です。

本作は、そんな読者に“現実”を突きつけつつも、同時に“救い”や“共感”を与えてくれる作品となっています。

登場人物たちが苦しみながらも、自らの意思で選択し、前に進んでいく姿は、同じような悩みを抱える読者にとって大きな励みとなるはずです。

『しょせん他人事ですから』は、以下のようなテーマや物語が好きな方におすすめです。

難しい法律用語も丁寧に解説されており、専門知識がなくてもスムーズに読み進められます。

2024年7月19日から9月13日まで、テレビ東京系「ドラマ8」枠にて実写ドラマ化され、主演は中島健人さんが務めました。放送枠は毎週金曜夜8時で、若手俳優としての人気だけでなく、演技力にも定評のある中島さんの新境地として注目を集めました。

ドラマの特徴と内容

主人公の保田理（やすだおさむ）を、主演の中島健人さんが“口癖は「しょせんは他人事じゃん？」”というクールかつ毒舌キャラで演じ、新時代のニュータイプ弁護士像を鮮明に描きました。
テーマはSNSやネット炎上、誹謗中傷など現代社会で身近な問題。ドラマではネットトラブルをめぐる事件を取り上げ、視聴者参加型キャンペーンや共感を呼ぶ法廷描写が話題に。
メインキャストには白石聖さん（金曜パラリーガル役）、橋本じゅんさん、片平なぎささんらが名を連ね、ゲスト出演者には志田未来さん、勝村政信さん、袴田吉彦さん、粗品（霜降り明星）さんなど豪華俳優陣が参加しています。