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【2024年本屋大賞受賞作】宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』をご紹介!唯一無二のヒロインに心を撃ち抜かれる青春小説

※ 本ページにはプロモーションが含まれます

唯一無二のヒロインに心を撃ち抜かれる!

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」

 

こんな堂々たる宣言から幕を開けるのが、宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)です。

2024年本屋大賞を受賞し、「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」第1位に輝いた本作は、第39回坪田譲治文学賞も受賞。

いまもなお多くの読者を魅了し続けています。

 

舞台は滋賀県大津市。

琵琶湖のほとりにあるこの地方都市で、中学2年生の成瀬あかりは、独特な感性と規格外の行動力で、周囲を驚かせ、巻き込み、そして魅了していきます。

彼女の一挙手一投足が、時に笑いを誘い、時に胸を締めつける。

優しさと可笑しみ、そして希望があふれる物語──それが『成瀬は天下を取りにいく』なのです。

成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫) 「成瀬」シリーズ

 

 

あらすじ──成瀬あかりという「事件」

物語の舞台と時代背景

時は2020年、コロナ禍真っ只中の夏。滋賀県大津市膳所(ぜぜ)に住む中学2年生の成瀬あかりは、幼馴染の島崎みゆきに突然宣言します。

 

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」

 

街のシンボルである西武大津店が閉店を控える中、成瀬は毎日デパートに通い、テレビ中継に映り込むという計画を立てたのです。

成瀬あかりの「天下取り」エピソード

本作は、中学2年生の夏から高校3年生の夏までの5年間を描く5つのエピソードと、外伝的作品「階段は走らない」の全6編で構成されています。

収録作品:

  1. 「ありがとう西武大津店」(初出:『小説新潮』2021年5月号)
  2. 「膳所から来ました」(書き下ろし)
  3. 「階段は走らない」(初出:『小説新潮』2022年5月号)
  4. 「線がつながる」(書き下ろし)
  5. 「レッツゴーミシガン」(書き下ろし)
  6. 「ときめき江州音頭」(書き下ろし)

成瀬のチャレンジは、デパートへの「通い詰め」だけにとどまりません。

  • M-1グランプリ出場への挑戦
  • テレビ番組「ゼゼカラ」(膳所から)への出演
  • 演劇での主演
  • ご当地アイドルへの道
  • 髪を切らずに200歳まで生きると宣言しての長期実験
  • 市民憲章の暗唱と実践

これらすべてが、「今をちゃんと生きたい」という純粋な思いから生まれた行動です。

決して自己顕示欲や承認欲求ではなく、ただひたむきに「いいな」と思ったことに全力で取り組む──それが成瀬あかりという少女なのです。

語り手・島崎みゆきの存在

物語は基本的に、成瀬の幼馴染である島崎みゆきの視点で語られます。

同じマンションに住み、同じ中学校に通う島崎は、一見平凡な女子中学生。

しかし彼女は、成瀬の突拍子もない行動に振り回されながらも、温かく見守り、時には一緒に走り出す、かけがえのない存在です。

 

島崎の目を通して描かれる成瀬の姿は、読者にとって身近でありながら、どこか眩しく映ります。

島崎という「普通の視点」があるからこそ、成瀬の「特別さ」がより際立つのです。


『成瀬は天下を取りにいく』の魅力──6つのおすすめポイント

1. 唯一無二のヒロイン、成瀬あかり

成瀬あかりは、これまでの青春小説には登場しなかったタイプのヒロインです。

空気を読まない。

誰かに合わせない。

でも、押し付けがましくもない。

 

彼女はただ、「自分でいること」を何よりも大切にしています。

見栄を張るでもなく、卑屈にもならず、自分の「いいな」という感覚を信じて、ただひたむきに行動する。

周囲からどう思われようと、嫌われようとも、成瀬は動じません。

それは強い精神力であり、同時に純粋さの表れでもあります。

 

今の時代、「誰かに合わせること」が当たり前になりがちな中で、成瀬の生き方は強烈な光を放っています。

それは決して無理をしているわけではなく、あくまで自然体。

だからこそ、読む人それぞれが自分の弱さや願いにそっと向き合えるのです。

2. 笑って泣ける絶妙なバランス

一見コミカルで突拍子もないエピソードの裏に、ふと寂しさや切なさが漂う──それが本作の大きな魅力です。

クスッと笑った直後に、じんわりと胸が熱くなるような場面がたくさん散りばめられています。

成瀬の行動は確かに破天荒ですが、その背景には深い思いやりや、誰かを思う優しさが隠れていることに、読み進めるうちに気づかされます。

この温かくもほろ苦い読後感は、きっと忘れられないはず。笑いと涙が同居する、まさに「青春」そのものの物語なのです。

3. 地元愛にあふれた舞台設定

滋賀県大津市という地方都市が、本作の重要な「登場人物」の一人です。

琵琶湖の広がる風景、膳所という地名、西武大津店、琵琶湖汽船の遊覧船「ミシガン」、江州音頭など、地元に根付く文化や風景が丁寧に、そして愛情深く描かれています。

宮島未奈さん自身が滋賀県出身であり、その土地への深い愛情が作品全体に満ちています。

地方出身の方なら、「わかる!」と思える描写が随所にあり、地元への誇りや愛着を思い出させてくれるでしょう。

また、都会とは異なる地方都市の空気感──閉塞感と居心地の良さが同居する感覚も、リアルに伝わってきます。

4. コロナ禍という時代の記録

2020年の夏から物語が始まる本作は、コロナ禍という特殊な時代を背景にしています。

閉店を控える西武大津店、制限される日常、変わっていく街の風景──そんな「失われていくもの」への惜別の思いが、物語の底流に流れています。

しかし本作は、決して暗く沈んだ物語ではありません。

むしろ、制約の多い時代だからこそ、成瀬のような「今をちゃんと生きる」姿勢が、より一層輝いて見えるのです。

未来の読者にとっても、この時代を生きた人々の記録として、貴重な作品になることでしょう。

5. 多様な視点で描かれる群像劇

物語の中心は成瀬ですが、彼女を取り巻く人々の視点も丁寧に描かれています。

小学生のファン、娘の受験を見守る父親、近所のクレーマー主婦、観光大使の女性──様々な立場の人々が、成瀬という「事件」に遭遇し、それぞれの人生が少しずつ変わっていきます。

6. 前向きなエネルギーをもらえる物語

読み終えた後、確実に「何か始めたい」という気持ちになる──それが本作最大の魅力かもしれません。

仕事に悩んでいるとき、家庭や人間関係に疲れたとき、なんとなく元気が出ないとき──どんなタイミングで読んでも、成瀬の一言や行動が心に響き、背中を押してくれるはずです。

「自分らしく生きる」ことの尊さ、「今を大切にする」ことの大切さ──当たり前のようで、大人になるとつい忘れてしまうことを、成瀬は思い出させてくれます。


実際に読んだ読後の感想

読み終えたとき、久しぶりに胸が熱くなりました。

主人公のまっすぐさは、今の世の中では少し不器用に見えるかもしれません。

しかし、不器用だからこそ尊いと思えたのです。

主人公の突拍子もない行動に笑いながらも、ふとした瞬間にじんわり涙ぐんでしまう。

彼女は、大人になるとつい忘れてしまう純粋さや勇気を思い出させてくれます。

そして何より、今いる場所を少しでも肯定できるような、そんな力をもらえる一冊です。

「天下を取る」とは、大きな成功をおさめることだけではありません。

自分を信じて、一歩踏み出す勇気を持つこと。自分らしく、今を生きること。

成瀬あかりは、その大切さを、静かに、でも確かに教えてくれます!


続編『成瀬は信じた道をいく』もおすすめ!

『成瀬は天下を取りにいく』が気に入った方には、続編『成瀬は信じた道をいく』(2024年1月24日発売)も強くおすすめします。

本作の続編となる全5編の短編集で、成瀬の高校卒業後、大学生、そして社会人になった「その後」が描かれています。

変わらぬ成瀬のブレなさと、それでいて少しずつ成長していく姿に、また勇気づけられること間違いなし。成瀬ファンなら必読です!

成瀬は信じた道をいく (「成瀬」シリーズ)

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【祝】完結編『成瀬は都を駆け抜ける』2025年12月1日発売決定!

ついに成瀬あかりシリーズが完結します!

「成瀬あかりシリーズ」の第3弾にして完結作『成瀬は都を駆け抜ける』が、2025年12月1日に新潮社より発売されることが決定しました!

宮島未奈さん自身も「これで完結です」とコメントされており、ファン待望の最終章がついに読めることになります。

書名: 『成瀬は都を駆け抜ける』
著者: 宮島未奈さん
出版社: 新潮社
発売日: 2025年12月1日(月)

タイトルの「都」には、どんな意味が込められているのでしょうか。

成瀬が大津を離れて新たな場所へ向かうのか、それとも彼女にとっての「都」が描かれるのか──想像が膨らみます!

第1作で中学生だった成瀬が、第2作では大学生・社会人へと成長しました。

そして完結編では、どんな「天下」を手にするのか、あるいはどんな道を駆け抜けていくのか。

成瀬あかりという唯一無二のヒロインの物語が、どのような結末を迎えるのか──ファンならずとも気になる展開です!

発売まで楽しみに待ちましょう!そして第1作、第2作をまだ読んでいない方は、今のうちに読んでおくことを強くおすすめします。完結編を迎える前に、成瀬の軌跡をしっかりと追っておきたいですね。

成瀬は都を駆け抜ける (「成瀬」シリーズ)

こんな人におすすめ!

  • 自分らしく生きることに憧れる人
    成瀬の生き方は、「自分でいること」の素晴らしさを教えてくれます。
  • 前向きなエネルギーをもらいたい人
    読後、きっと「何か始めたい」という気持ちになるはずです。
  • 地方都市の空気感が好きな人
    大津という地方都市の魅力が詰まった一冊です。
  • 笑って泣ける青春小説を探している人
    コメディとドラマのバランスが絶妙で、最後まで飽きずに読めます。
  • 新しいタイプのヒロインに出会いたい人
    成瀬あかりは、これまでの青春小説にはいなかったタイプの主人公です。
  • コロナ禍を生きた記憶を大切にしたい人
    2020年という時代の記録としても、貴重な作品です。
  • 本屋大賞作品が好きな人
    本屋さんが選んだ、本当に面白い本を読みたい方にぴったりです。

おわりに

『成瀬は天下を取りにいく』は、ただの青春小説ではありません。

読めば、きっとあなたの中にも「天下を取りにいこう」とする小さな勇気が芽生えるはずです。

成瀬あかりのまっすぐな生き方は、「誰かに合わせること」が当たり前になりがちな今の時代に、強烈な光を放っています。

それは決して押しつけがましいものではなく、あくまで自然体。

だからこそ、読む人それぞれが自分の弱さや願いにそっと向き合えるのです。

 

自分らしさを取り戻したいすべての人に、心からおすすめしたい一冊です。

 

あなたもきっと、自分だけの「天下」を取りに行きたくなるはずです!
ぜひ一度、この物語に飛び込んでみてください!

成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫) 「成瀬」シリーズ

 

この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。

 

おわり

 

ジャケドロ661

 

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