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一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』をご紹介!あらすじなど

※ 本ページにはプロモーションが含まれます

「もし愛する人が許せない罪を犯したら、あなたはどうしますか?」

愛する人が罪を犯したとき、あなたはどうしますか?
直木賞作家・一穂ミチさんが贈る、答えのない問いに向き合う恋愛小説。
2025年本屋大賞ノミネート作品として話題沸騰中。
プロポーズの翌日に起きた恋人の盗撮事件。
揺れ動く主人公の葛藤を通して、信じること、許すこと、愛することの本質を問いかける。


一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』は、
幸せの絶頂から一転する恋人たちの姿を描いた
読者の心を激しく揺さぶる衝撃の問題作です。

恋とか愛とかやさしさなら

 

あらすじなど

物語の舞台は、30歳のフリーカメラマン・関口新夏の人生が一変する瞬間から始まります。

5年間交際を続けてきた恋人の神尾啓久。

友人の結婚式の帰り道、東京駅の前でプロポーズを受けた新夏。

人生で最高に幸せな瞬間のはずでした。

 

しかし、その翌日。 信じられない連絡が入ります。

啓久が通勤電車の中で女子高生を盗撮し、現行犯逮捕されたというのです。

 

「出来心だった」「二度としない」と誓う啓久。

新夏は彼を信じたい気持ちと許せない思いの間で激しく揺れ動きます。

 

愛する人を信じるとはどういうことなのか。 許すとはどういうことなのか。

啓久の罪は、二人の関係だけでなく、被害者の女子高生・莉子や周囲の人々をも巻き込んで、思わぬ波紋を広げていきます。

 

物語は新夏と啓久、それぞれの視点から描かれます。

被害者に近い立場の第三者である新夏の葛藤。 そして加害者である啓久の苦悩。

この二つの視点が交錯することで、単純な善悪論では語れない複雑な人間の心理が浮き彫りになる構成です。

答えのない問いへの真正面からの挑戦

誰もが目を背けたくなるテーマ

この作品の最大の魅力は、誰もが目を背けたくなるような問題に真正面から向き合っている点です。

性犯罪という重いテーマを扱いながらも、登場人物たちの心理を丁寧に描き出しています。

この物語には明確な答えがありません。 読者それぞれが自分なりの答えを探していく過程こそが、この作品の真髄なのです。

著者の一穂ミチさん自身が「自分だったらどうするだろう? 答えの出ない問いかけを、何度も何度も繰り返して書きました」と語るように、本作は重いテーマに真正面から向き合った意欲作です。

多層的な視点による立体的な描写

物語は新夏と啓久、それぞれの視点から描かれます。

被害者に近い立場の第三者である新夏の葛藤。 そして加害者である啓久の苦悩。

この二つの視点が交錯することで、物語に深みと多層性が生まれています。

さらに被害者の莉子や周囲の人々の行動や発言は、社会全体の倫理観や価値観を反映しており、多角的な議論を可能にする構成となっています。

直木賞受賞後第一作としての意味

一穂ミチさんのキャリアの集大成

2024年、『ツミデミック』で第171回直木賞を受賞した一穂ミチさん。

本作は、その直木賞受賞後の第一作として特別な意味を持ちます。

一穂ミチさんは2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。

イエスかノーか半分か』などの人気シリーズを手がけてきました。

 

2021年刊行の『スモールワールズ』が本屋大賞第3位となり、吉川英治文学新人賞を受賞。直木賞候補にもなりました。

2022年刊行の『光のとこにいてね』は本屋大賞第3位、キノベス第2位となり、島清恋愛文学賞を受賞。

そして2024年、『ツミデミック』で悲願の直木賞受賞。

さらに深まる人間描写と社会性

直木賞作家としてのキャリアの中で、さらに深い人間描写と社会性の高いテーマに取り組んだ作品といえるでしょう。

これまでの作品で見せてきた繊細な心理描写に加え、現代社会が抱える問題への鋭い洞察が加わった、新境地を示す作品となっています。

作品の巧妙な構成と読みどころ

鮮烈な心理描写

一穂ミチさんの筆力が最も発揮されているのが、登場人物たちの心理描写です。

愛情、怒り、悲しみ、罪悪感といった複雑な感情が、時に矛盾しながらも、リアルに描かれています。

読んでいる間、心がヒリヒリし、胸が苦しくなる。 それでも読むのをやめられない。

多くの読者がそう語っているように、この作品には読者を強く引き込む力があります。

カメラと写真の象徴性

新夏がカメラマンであるという設定も、作品に深い意味を与えています。

初出時のタイトルは「Put your camera down」でした。

カメラや写真に例えた表現が随所に登場し、写真を愛する人にとっても読み応えのある内容となっています。

カメラを通して世界を切り取る新夏の視点は、物語にもう一つの層を加えています。

2部構成による緊張感

物語は2部構成で進みます。

第1部では新夏視点から、プロポーズ後に直面した現実と彼女の心の揺れを描写。

一方、第2部では啓久視点から物語が進行し、彼の後悔や罪と向き合う様子が語られます。

それぞれの視点が交差し、「信じること」や「受け入れること」の複雑さを多面的に考察する構成となっています。

読み終わった後の衝撃と考察

書店員からの圧倒的な支持

書店員の方々から寄せられた感想の一部をご紹介します。

「一穂さんによって私のブラックボックスが暴かれていく。これがこんなにも甘やかで嬉しいなんて」 (紀伊國屋書店武蔵小杉店)

「誰にも共感していません。それなのにとてもリアルに『わかる』と思いました。すごい恋愛小説が生まれてしまいました」 (函館蔦屋書店)

2025年本屋大賞ノミネート

2024年10月30日の発売直後から書店員の間で話題沸騰。

続々と重版を重ね、2025年本屋大賞にもノミネートされました。

読み終えても、この物語が終わったような気がしない。

そう感じる読者が多いのは、この作品が提示する問いが、私たちの現実とも地続きだからでしょう。

信じること、許すこと、愛することの本質

愛する人を信じるとはどういうことなのか。

許すとはどういうことなのか。

そして、愛し続けることの意味とは。

本作は、これらの普遍的な問いに対して、性犯罪という現代社会が抱える問題を通して迫ります。

こんな人に特に読んでほしい

深く考えさせられる小説が読みたい人

答えのない問いに向き合い、読後も長く心に残る物語を求めている人には最適です。

一穂ミチさんの作品の中でも特に問いかけの強度が高く、読者自身の価値観を揺さぶられる体験ができます。

恋愛小説の新境地を求める人

甘いだけ、切ないだけの恋愛小説では物足りないと感じている人へ。

愛することの本質、信じることの意味を問い直す、骨太な恋愛文学です。

一穂ミチファン

『スモールワールズ』『光のとこにいてね』『ツミデミック』と、作品ごとに新たな挑戦を続ける一穂さん。

本作も期待を裏切らない新境地の作品です。

社会問題に関心がある人

性犯罪、被害者と加害者の関係、周囲の人々の反応など、現代社会が抱える問題を丁寧に描いています。

フィクションを通じて現実を見つめ直したい人におすすめです。

心に刺さる文章が好きな人

一穂さん特有の鋭くて美しい文章表現が随所に散りばめられています。

カメラや写真にまつわる比喩も印象的で、言葉の力を感じたい方にぴったりです。

本屋大賞ノミネート作品をチェックしている人

2025年本屋大賞ノミネート作品として、書店員からも高い評価を受けています。

話題の作品を押さえておきたい方はぜひ。

注意点など

デリケートなテーマの扱い

性犯罪というデリケートなテーマを扱っているため、読む際には心の準備が必要かもしれません。

それでも、この作品が投げかける問いと向き合う価値は十分にあります。

明確な答えは用意されていない

物語には明確な「正解」が示されていません。

読者それぞれが自分の答えを探していく作品です。 スッキリとした結末を求める人には向いていない可能性があります。

心理描写の重さ

登場人物たちの葛藤や苦悩が丁寧に描かれているため、読んでいて心が重くなる場面もあります。

軽く読める作品ではありませんが、その分、読み応えは十分にあります。

おわりに:現代を生きる私たちへの問いかけ

『恋とか愛とかやさしさなら』は、直木賞作家・一穂ミチさんが、信じること、許すこと、愛することの本質に真正面から挑んだ問題作です。

性犯罪という現象を通して、愛する人を信じることの意味、許すことの難しさ、そして愛し続けることの苦しみなど、多くの問いが一つの物語の中で有機的に結びつけられています。

「もし愛する人が許せない罪を犯したら、あなたはどうしますか?」という作品を象徴する問いが示すように、本作は現代社会を生きる私たちにとって、重要な気づきと考察の機会を提供する価値ある一冊です。

 

誰もが簡単には答えを出せない問題だからこそ、この物語は多くの人の心を揺さぶります。 読後、あなたは自分自身に問いかけることになるでしょう。

 

「もし自分だったら、どうするだろう?」と。

 

答えは一つではありません。

でも、その問いと向き合うことこそが、この作品を読む意味なのかもしれません。

男と女の欲望のブラックボックスに迫る衝撃作。 

恋とか愛とかやさしさなら

 

この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。

 

おわり

 

ジャケドロ661

 

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