衝撃のタイトル、予想を裏切る展開
余命わずかな人々が集まる山荘。
そこで起きた一人の死。 なぜ、どうせそろそろ死ぬ人間を殺す必要があったのか――。
第23回『このミステリーがすごい！』大賞・文庫グランプリ受賞作。
香坂鮪さんの『どうせそろそろ死ぬんだし』は、 衝撃的なタイトルとともに読者を翻弄する 二度読み必至の「館」ミステリーです。
あらすじなど
物語の主人公は、探偵業を営む七隈。
七隈は助手の律と共に、山奥の別荘「夜鳴荘」に招待されます。
そこで開催されていたのは、余命宣告された人々が集う交流会。
参加者たちはそれぞれ余命わずかな身でありながら、互いに親交を深め、残された時間を共に過ごそうとしていました。
七隈と律は交流会のゲストとして参加者たちと食事をし、会話を楽しみます。
しかし翌朝、参加者の一人が不審な死を遂げているのが発見されます。
自然死なのか、それとも殺人なのか。
もし殺人であれば、大きな疑問が浮かび上がります。
余命わずかな人間を、なぜわざわざ殺す必要があったのか。
七隈たちは死因の調査を始めますが、やがて明かされる驚愕の真実が、すべての前提を覆していきます――。
第23回『このミステリーがすごい！』大賞・文庫グランプリ受賞作
注目の新人作家の誕生。
香坂鮪さんは1990年、熊本県生まれ。
大阪府在住で、現在は循環器を専門とする特定機能病院に勤務されています。
心臓と脳を中心に、心筋梗塞、脳梗塞などの治療に携わる医療従事者という経歴を持つ作家です。
本作『どうせそろそろ死ぬんだし』で第23回『このミステリーがすごい！』大賞・文庫グランプリを受賞し、2025年にデビューを果たしました。
医療現場での経験が作品に深みを与えているのは間違いありません。
余命宣告、死という重いテーマを扱いながらも、ミステリーとしての面白さを追求した意欲作となっています。
作品の魅力と読みどころ
衝撃的なタイトルに込められた意味
『どうせそろそろ死ぬんだし』という衝撃的なタイトル。
一見すると刺激的に感じられるこのタイトルですが、読み終わった後には作品の核心を突いた重要なメッセージであることがわかります。
物語を最後まで読んだ時、このタイトルの本当の意味に気づき、読者は再び最初のページを開きたくなるはずです。
「館」ミステリーとしての完成度
山奥の別荘「夜鳴荘」という閉鎖空間を舞台にした、正統派の「館」ミステリー。 限られた登場人物、不審な死、そして謎解き。
古典的なミステリーの形式を踏襲しながらも、現代的な感覚と斬新なアイデアが融合した作品となっています。
読者の予想を次々と裏切る展開が待ち受けています。
二度読み必至の仕掛け
「二度読み必至」という帯の言葉に偽りはありません。
一度目の読書で驚愕し、二度目の読書でさらに深い理解と感動を得られる構成になっています。
読者の多くが「まんまと騙された」「思い込みで読んでいた」と感想を述べているように、 作品全体が巧妙に仕組まれた罠となっているのです。
読み終わった後の衝撃
前提を覆す真実
「余命わずかな人間をなぜ殺す必要があったのか」という根本的な問い。
この疑問こそが、物語を貫く重要なテーマとなっています。
読者が自然に受け入れていた前提そのものが、実は……。
真相が明かされる瞬間、これまで読んできたすべてのシーンの意味が変わります。
ここから先はネタバレになるため控えますが、その衝撃は計り知れません。
作品全体に仕組まれた仕掛け
読者の多くが「まんまと騙された」「思い込みで読んでいた」と感想を述べているように、 作品全体が巧妙に構成されています。
何気ない描写、登場人物の言葉、すべてに意味があり、二度目の読書でその精緻な仕掛けに気づくことができます。
こんな人に特に読んでほしい
本格ミステリーファン
古典的な「館」ミステリーの形式を踏襲しつつ、斬新なアイデアで読者を翻弄する本作。 本格ミステリーを愛する人には、間違いなく満足できる作品です。
どんでん返しが好きな人
予想を裏切る展開が好きな人、「やられた！」という感覚を楽しみたい人に最適です。 読後の衝撃は、しばらく余韻として残り続けるでしょう。
このミス大賞の受賞作に興味がある人
第23回文庫グランプリを受賞した実力作。
これまでの受賞作品を楽しんできた人なら、本作も期待を裏切らない出来栄えです。
新しい才能を発見したい人
医療従事者という異色の経歴を持つ新人作家のデビュー作。
新たな才能の誕生を目撃したい人には、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
注意点など
先入観を持たずに読むこと
この作品を最大限楽しむためには、できるだけ先入観を持たずに読むことをおすすめします。
あらすじを読んで「こういう話だろう」と思い込むと、著者の罠にはまる可能性が高くなります。
実際に多くの読者が「内容紹介を読んで勝手に思い込んだ」と後悔しています。
ネタバレは厳禁
二度読み必至の仕掛けが施された作品だけに、ネタバレは絶対に避けるべきです。
レビューや感想を読む際も、十分な注意が必要です。
読み返す時間も楽しみの一つ
一度読んだ後、すぐに読み返したくなる作品です。
二度目の読書で発見できる伏線や仕掛けも多く、再読することでより深く作品を味わえます。
時間に余裕を持って読み始めることをおすすめします。
おわりに：新時代のミステリーの到来
『どうせそろそろ死ぬんだし』は、医療従事者という異色の経歴を持つ新人作家・香坂鮪さんが、第23回『このミステリーがすごい！』大賞・文庫グランプリを受賞したデビュー作です。
衝撃的なタイトル、余命わずかな人々という重いテーマ、そして読者の予想を次々と裏切る展開。
古典的な「館」ミステリーの形式を踏襲しながらも、まったく新しい読書体験を提供する作品となっています。
余命、死、そして真実。
読者が当然のように受け入れていた前提が覆される瞬間、この作品の真価が明らかになります。
二度読み必至の衝撃作を、ぜひあなた自身の目で確かめてください！
この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。
おわり
ジャケドロ661
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