ジャケドロ661ブログ

気軽に更新をモットーに

杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』をご紹介!あらすじなど

※ 本ページにはプロモーションが含まれます

「電子書籍化絶対不可能」の仕掛けで話題沸騰

絶対に予測不能な衝撃のラスト――。

あなたの見る世界は『透きとおる』。

紙の本でしか実現できない、革新的な「仕掛け」によって、読書界に衝撃をもたらした杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』。

2023年5月の発売以降、「今までに読んだ本で一番の衝撃」「本の形をした芸術作品」「何を言ってもネタバレになるから、スゴイとしか言えない」といった口コミがSNSや動画メディアで爆発的に広がり、一時は入手困難となるほどの社会現象となりました。

シリーズ累計50万部を突破し、2023年「最も売れた新潮文庫」に輝いた本作は、テレビ番組「王様のブランチ」や「ひるおび」でも紹介され、新潮文庫nex史上最速で発行部数20万部を突破。

普段あまり本を読まない10〜20代にまで購買層が広がり、中高生のビブリオバトルでも頻繁に紹介される一冊となっています。

2025年1月には待望の続編『世界でいちばん透きとおった物語2』も発売され、ますます注目を集めている本作について、ご紹介していきます。

世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)

 

あらすじなど

物語の主人公は、藤阪燈真(ふじさか・とうま)。

彼は、校正者の母と大御所ミステリ作家・宮内彰吾との間に生まれた「落胤(らくいん)」でした。

宮内彰吾は女癖が悪く、妻帯者でありながら多くの女性と交際していましたが、そのうちの一人である燈真の母とは子供までつくっていました。

燈真は一度も父に会うことなく、母と二人で慎ましく暮らしていましたが、母が交通事故で亡くなり、その2年後に父である宮内彰吾も癌の闘病の末、61歳で死去します。

宮内の死後すぐに、燈真のもとに宮内の嫡出の息子である松方朋晃(まつかた・ともあき)から連絡が入ります。

「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。

遺作として出版したいが、原稿が見つからない。

何か知らないか」

奇妙な成り行きから、燈真は一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになります。

知り合いの文芸編集者である深町霧子(ふかまち・きりこ)の力も借りて、業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、燈真は父の複雑な人物像を知っていきます。

宮内が死の直前まで交際していた女性たちや、交流があった編集者、ミステリ評論家などの間を訪ね歩いて情報を集め、やがて燈真は、宮内がかつて愛人名義で買った狛江の一軒家で最晩年を過ごし、原稿を書いていたらしいことを突き止めます。

しかし、燈真が松方朋晃とともにその狛江の一軒家に乗り込んだとき、二人の到着直前に何者かが家に侵入し、『世界でいちばん透きとおった物語』の原稿を焼却してしまっていました。

遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、事態は複雑に――。

やがて燈真は、深町霧子の深い洞察力と推理によって導かれ、ついに『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された衝撃の真実にたどり着くことになります。

本作では、出版・文芸の世界を取り巻く人間模様が、実在の出版社や著名な作家をモデルに描かれており、文芸ファンにはたまらない要素も盛り込まれています。

紙の本でしか実現できない「仕掛け」とは

本作最大の特徴は、「電子書籍化絶対不可能」と謳われた、紙の本でしか実現できない革新的な「仕掛け」です。

帯には「紙の書籍でしか不可能」「ネタバレ厳禁」の文字が躍り、既読者たちは「この衝撃のラストを言いたいけど、ネタバレになってしまうので何も言えない!」というつらい我慢を強いられることになりました。

SNSで情報が溢れる現代において、「ネタバレ厳禁」を50万人の読者が守り抜いたことは、まさに奇跡と言えるでしょう。

新潮文庫nexの担当者は「玄人筋のミステリ読みを驚かせ、普段本を読まない層まで広がった」と評しており、著者の杉井光さん自身も「第2のデビュー作みたいな感じ」と述べています。

作家・北村薫さんは推薦コメントで「「 」の謎が解けた時、完結する透きとおった物語。

ここに、純粋な、仕掛けへの愛がある」と評価しています。

この仕掛けは、杉井さんがある一冊の本との出合いをきっかけに着想したもので、推理小説の長い歴史の中で培われてきた「外連(けれん)」――読者を驚かせ、楽しませるための工夫への愛が込められています。

推理小説は180年前にエドガー・アラン・ポーが骨格を作り上げて以来、徐々に進化を遂げてきました。

結末を袋綴じにした作品や、証拠品を添付した作品など、様々な試みがなされてきましたが、本作の「透きとおる」仕掛けは、その系譜に連なる新たな挑戦と言えるでしょう。

杉井光さんのキャリアと本作の位置づけ

杉井光さんは、1978年、東京都稲城市生まれ。

高校卒業後、フリーターを6年、ニートを3年経験し、フリーター時代にはアマチュアバンドでキーボードを担当していました。

2005年、『火目の巫女』で第12回電撃小説大賞の銀賞を受賞し、2006年に電撃文庫より作家デビューを果たします。

その後、2007年から2014年にかけて刊行された『神様のメモ帳』シリーズが大ヒット。

都心の繁華街やその周辺の高校を舞台に、普通の高校生である主人公・藤島鳴海と、雇い主である探偵・アリス、探偵をサポートするニートたちが活躍する物語で、ドラッグや暴力団といった現実的・都市的な脅威を描いた作品です。

2011年にはテレビアニメ化もされ、シリーズ累計127万部を突破するヒット作となりました。

『このライトノベルがすごい!』作品部門では2011年版で10位を獲得しています。

他にも『さよならピアノソナタ』シリーズ、『楽園ノイズ』シリーズなど、主にライトノベルレーベルから多様な作品を発表してきた杉井さんですが、『超越数トッカータ』で一般文芸誌へと進出。

そして本作『世界でいちばん透きとおった物語』が、新潮文庫nexから刊行され、20万部以上のヒット作となりました。

本作は、ライトノベル作家として培ってきた確かな筆力と、ミステリへの深い愛情が結実した、杉井さんの新たな代表作と言えるでしょう。

作品の構成と読みどころ

文芸業界を舞台にしたビブリオ・ミステリ

本作は、ミステリ作家の遺稿を探すという物語を通して、出版・文芸の世界が丁寧に描かれています。

編集者、評論家、作家、そして愛人たち――様々な人々の証言から、大御所作家・宮内彰吾の人物像が浮かび上がってきます。

実在の出版社や著名な作家をモデルにした描写も多く、文芸ファンにとっては「あれはあの人のことか」と想像する楽しみもあります。

魅力的な探偵役・深町霧子

本作の探偵役を務めるのは、大手出版社に勤める文芸編集者・深町霧子。

折り目正しい才媛でありながら、文芸、特にミステリには異常ともいえるほどの愛着を示す彼女は、深い洞察力を持っています。

燈真が集めてきた情報を聞いただけで、推理のみによって『世界でいちばん透きとおった物語』の真相にたどり着く、いわゆる「安楽椅子探偵」です。

霧子の鮮やかな推理と、燈真との掛け合いが、物語に知的な興奮をもたらしてくれます。

洗練された文章と清らかな物語

小説紹介クリエイターのけんごさんは「洗練された文章に惹き込まれ、清らかな物語に心を掴まれました」と評しています。

杉井さんの文章は読みやすく、それでいて知的で繊細。

ミステリとしての謎解きの面白さだけでなく、父を知らずに育った燈真が、遺稿探しを通して父の人生に触れていく過程には、静かな感動があります。

「透きとおる」瞬間の衝撃

そして何より、物語のラストで訪れる「透きとおる」瞬間の衝撃は、読書体験そのものを塗り替えるほどのインパクトがあります。

「本を読み終わった後、本を持つ手が震えた」「鳥肌が止まらなかった」「著者の企てた大仕掛けの趣向を思う存分に楽しませていただいた」といった感想が数多く寄せられており、多くの読者が忘れられない読書体験として記憶に刻んでいます。

続編『世界でいちばん透きとおった物語2』について

2025年1月29日、待望の続編『世界でいちばん透きとおった物語2』が発売されました。

前作の衝撃から1年半、「まさかの続編」として大きな話題を呼んでいます。

続編では、新人作家となった藤阪燈真のもとに奇妙な依頼が舞い込むところから物語が始まります。

前作を読んだ読者への感謝の気持ちを込めて、新潮社は全国書店にて「世界でいちばん透きとおった物語 感謝御礼フェア」を開催。

続編についても「くれぐれもネタバレ厳禁でお願いいたします」とアナウンスされており、前作同様の衝撃が期待されています。

なお、続編は前作を読んでいないと楽しめない内容となっているため、まずは第1作から読むことをおすすめします。

こんな人に特に読んでほしい

ミステリ好きの方

推理小説の歴史や様々な仕掛けに触れながら、新たな試みに挑戦した本作は、ミステリファンにとって必読の一冊です。

特に本格ミステリを好む方、趣向を凝らした仕掛け本が好きな方には、たまらない内容となっています。

文芸・出版業界に興味がある方

出版社、編集者、作家、評論家――文芸を取り巻く人々の世界が丁寧に描かれており、業界の雰囲気を楽しむことができます。

「本を作る人たち」の物語としても読み応えがあります。

「体験型」の読書を求める方

本作は、単に物語を読むだけでなく、紙の本という「物体」そのものを使った体験を提供してくれます。

読書という行為の可能性を再発見したい方、新しい読書体験を求めている方にぴったりです。

普段あまり本を読まない方にも

新潮文庫nexの担当者が「普段本を読まない層まで広がった」と語っているように、本作は読書習慣のない方でも引き込まれる魅力を持っています。

中高生にも人気があり、「読書のきっかけになった」という声も多数寄せられています。

杉井光ファン、『神様のメモ帳』を読んだ人

ライトノベルで活躍してきた杉井さんが、一般文芸の舞台で放つ渾身の一作。

『神様のメモ帳』シリーズを愛読してきた方には、作家としての新たな境地を楽しめる作品となっています。

注意点など

「ネタバレ厳禁」を守ることが大切

本作は、何も知らずに読むことで最大限の感動を得られる作品です。

既読者からのネタバレを避けるため、SNSでの検索は読了後まで控えることをおすすめします。

また、あなた自身が読み終わった後も、これから読む人のために「ネタバレ厳禁」を守ってあげてください。

紙の本で読むことが必須

本作の仕掛けは、紙の本でしか体験できません。

電子書籍では実現不可能な内容となっているため、必ず紙の書籍で読む必要があります。

図書館で借りるよりも、自分の本として手元に置いておきたくなる一冊です。

続編を読む前に第1作を

続編『世界でいちばん透きとおった物語2』は、第1作の内容を踏まえたストーリーとなっています。

まずは第1作から読み始めることを強くおすすめします。

静かな環境でじっくりと

本作の仕掛けを十分に味わうためには、集中して読める環境が理想的です。

最後まで一気に読み切れる時間を確保して、じっくりと向き合ってみてください。

おわりに:読書体験そのものを変える一冊

『世界でいちばん透きとおった物語』は、『神様のメモ帳』シリーズで多くのファンを獲得してきた杉井光さんが、推理小説への深い愛情と、紙の本という媒体への敬意を込めて生み出した傑作です。

「電子書籍化絶対不可能」の仕掛けで話題を集め、シリーズ累計50万部を突破し、2023年「最も売れた新潮文庫」となった本作は、読書というものの可能性を改めて教えてくれます。

推理小説の歴史の中で、作家たちは常に新しい驚きを読者に届けようと工夫を重ねてきました。

結末を袋綴じにしたり、証拠品を添付したり――そうした「外連」への愛が、本作には溢れています。

そして杉井さんは、現代の技術と感覚を駆使して、全く新しい「透きとおる」体験を創り出しました。

読み終わった瞬間、あなたの見る世界は確かに「透きとおる」でしょう。

本を持つ手が震え、鳥肌が立ち、思わず誰かに話したくなる――でも話せない。

そんなもどかしさと興奮が、多くの読者を虜にしてきました。

普段あまり本を読まない方も、ベテランのミステリファンも、文芸を愛するすべての人も、等しく驚き、感動できる作品です。

大人気イラストレーター・ふすいさんによる美麗な季節限定カバーも話題となっており、50万部突破を記念した「冬季限定カバー」で全国書店にて好評発売中です。

2025年1月には続編も発売され、「世界でいちばん透きとおった」世界はさらに広がりを見せています。

まだ読んでいない方は、ぜひ何も知らない状態で、この奇跡のような読書体験に身を委ねてみてください。

読み終わった後、あなたはきっと誰かに「すごい本を読んだ」と伝えたくなるはずです。

世界でいちばん透きとおった物語 全2冊セット (新潮社)

 

この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。

 

おわり

 

ジャケドロ661

 

読書のオトモにKindle Unlimitedをおすすめしたい!

Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)は、Amazonが提供する電子書籍の定額読み放題サービスです。

  • 初回登録者は30日間の無料体験が可能

  • 無料期間終了後は月額980円(税込)で継続利用

  • 小説・ビジネス書・雑誌・マンガ・実用書など幅広いジャンル読み放題

  • スマホ・タブレット・PC・Kindle端末で読める(アプリ利用可)

読み放題対象となる作品は、日々更新されており、ベストセラーや話題作も多数ラインナップ。

Kindle Unlimitedは、読書生活をもっと身近に、もっと豊かにしてくれるサービスです。

 

Kindle Unlimitedは30日間無料体験できます

もしも気になる作品が1つでもあれば、まずは30日間の無料体験を試してみるのがおすすめです!
スマホやタブレットが手元にあれば、すぐに読書の時間が始められますよ!

Kindle Unlimitedを30日間無料で体験する

DMMブックス