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堂場瞬一さんの『鷹の飛翔』をご紹介!あらすじなど

堂場瞬一

平成という時代を生きた二人の鷹が、最後の飛翔を見せる——堂場瞬一さんの大河警察小説、完結。

「日本の警察」平成編の完結作として、2026年6月に刊行されるのが堂場瞬一さんの『鷹の飛翔』です。

昭和編から続く長大なシリーズの締めくくりとして、多くの読者から注目を集めている一作といえます。

捜査一課と公安一課、ふたつの組織に属するふたりの刑事が、時代の波に飲まれながらも「鷹」として空を翔けていく——その姿を描いた大河ドラマのような読み応えが、警察小説ファンのあいだで高い評価を受けているシリーズです。

平成という、あの喧騒と沈黙に満ちた時代を背景に、刑事たちの生き様が丁寧に積み重ねられています。

昭和天皇崩御の日から始まったこの物語が、東日本大震災の翌年という舞台でどのように幕を閉じるのか。

シリーズを追ってきた読者にとっては、感慨深い一冊となることでしょう。

第1巻『鷹の系譜』(2022年6月)、第2巻『鷹の惑い』(2023年7月)と読み続けてきた方にはもちろん、警察小説という世界に初めて足を踏み入れる方にとっても、入口として興味を持つきっかけになるかもしれません。

鷹の飛翔


平成という時代を刻んだ、二人の刑事の物語

本作のあらすじは、昭和天皇崩御の日の事件から始まった「日本の警察」シリーズ平成編の完結という、重みのある設定から幕を開けます。

捜査一課の高峰と、公安一課の海老沢——かつて若き刑事として時代の荒波に揉まれた二人は、いまや管理職へと立場を変えています。

父と同じ「鷹」の道を歩んできた二人が直面するのは、東日本大震災の翌年、東京で発生した連続殺人事件です。

被害者たちに共通するある事実が、捜査の核心を揺さぶります。

全員が、25年前に二人が直接対峙した事件の容疑者たちだった——。

過去と現在が交差するその構図は、読み手に時代の連続性と、警察組織という場に生きる人間の業を静かに問いかけてきます。

捜査一課と公安一課、二つの組織のあいだには長年の確執があります。

それぞれの論理と矜持を抱えた二人が、組織の壁を超えてどのように「最後の戦い」へと挑むのか。

平成という時代の終わりを見据えながら、二人の刑事が何を守り、何に決着をつけるのか。

ネタバレは避けますが、これまでシリーズを読んできた方にとっては、伏線の回収とともに感じるものが多い展開が待っているといえます。


著者・堂場瞬一さんについて

堂場瞬一さんは、1963年に茨城県でお生まれになりました。

青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、読売新聞東京本社に入社し、社会部記者としてのキャリアを歩まれました。

その経験が、警察や社会の内側を深く、リアルに描く作風の礎になっているといえます。

2012年末に退社され、専業作家の道へ。

2000年には『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞し、作家としてのデビューを果たされています。

その後は「刑事・鳴沢了」シリーズをはじめ、「アナザーフェイス」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズなど、多数の人気シリーズを生み出し続けています。

警察という組織の内側を知り尽くした描写と、人間ドラマとしての重層的な物語構造が高く評価されており、「警察小説の旗手」と呼ばれることも多い作家さんです。

上記以外の受賞歴・著作については、詳細は書籍やご本人のプロフィールでご確認いただくのがおすすめです。


読みどころ

25年という時間が生み出す、過去との対話

本作の最大の読みどころのひとつは、25年という歳月が物語の構造そのものに組み込まれているところです。

かつて対峙した容疑者たちが次々と殺されていく——その事実は、高峰と海老沢の記憶を強制的に呼び起こします。

若き刑事だった頃の判断、あの事件で下した決断、そして積み重なってきた年月の重さ。

現在の事件を追いながら、同時に過去の事件と向き合わざるを得ないという二重構造が、本作に独特の緊張感をもたらしています。

警察小説としての捜査劇であると同時に、二人の刑事の「人生の清算」ともいえる物語として機能しているのが、この作品の強みといえるでしょう。

25年という時間は、登場人物だけでなく、読者にとっても何かを振り返らせる重さを持っています。


組織の論理と、人間としての信念

捜査一課と公安一課のあいだにある組織的な確執は、このシリーズを通じて描かれてきた大きなテーマのひとつです。

それぞれ異なる論理と使命を持つ二つの組織に身を置く高峰と海老沢が、いかにしてその壁を乗り越えるのか——あるいは乗り越えられないのか——という問いが、本作でついに正面から問われることになります。

管理職という立場に就いた二人は、かつての現場の刑事とは異なる重さを背負っています。

組織を守る者として動くのか、それとも人間としての信念を優先するのか。

その葛藤は、警察組織に限らず、組織というものの中で生きるすべての人に通じる普遍性を持っています。

堂場さんが長年にわたって描いてきた「組織と個人」というテーマが、完結編でどのような決着を見るのか、注目のポイントといえます。


平成という時代そのものを読む

東日本大震災の翌年という舞台設定は、単なる時代背景にとどまりません。

あの震災が日本社会にもたらした変容、人々の意識の変化、そして警察という組織が抱える使命の変化——そうした時代の空気が、事件の背景として静かに漂っています。

昭和天皇崩御の日から始まり、平成という時代の終わりへと向かう大河的な構成は、単なる警察小説の枠を超えています。

一時代を生きた人間たちの記録として読むことができるのが、このシリーズの大きな魅力のひとつといえます。

昭和から平成へ、そして次の時代へ——その流れの中で、人はどう生き、何を残すのか。

『鷹の飛翔』は、そうした問いを読者の胸に静かに置いていく一冊といえます。


こんな人におすすめ

シリーズを第1巻から追ってきた読者の方

第1巻『鷹の系譜』、第2巻『鷹の惑い』と読み進めてきた方にとって、本作は待ちに待った完結編です。

高峰と海老沢という二人の刑事に寄り添ってきた時間が、この一冊でどのような結実を見せるのか。

シリーズ全体への愛着がある方ほど、読み終えたあとに感じるものが深くなるといわれているシリーズです。

シリーズ未読の方は、まず第1巻から読み始めるのがおすすめです。


堂場瞬一さんの作品が好きな読者の方

「刑事・鳴沢了」シリーズや「アナザーフェイス」シリーズで堂場さんの作風に親しんでいる方には、本シリーズも自然に手に取っていただけるといえます。

組織の中に生きる人間の葛藤、リアルな捜査描写、そして重層的な人間ドラマという堂場さんの魅力が、このシリーズにも凝縮されています。

すでに他シリーズを読んでいる方が、堂場さんのキャリアの集大成として本作に触れるのも、ひとつの楽しみ方といえます。


昭和・平成という時代を背景にした物語が好きな方

昭和から平成へという時代の流れを丁寧に描いた大河的な構成に魅力を感じる方には、このシリーズ全体が響く読み物といえます。

時代の空気と人間の物語が交差するような小説が好きな方にとっては、本シリーズは特に推薦に値する存在として評価が高いといえます。


警察組織の内側を深く描いた作品を探している方

捜査一課と公安一課という、異なる論理を持つ組織のリアルな描写に興味がある方にも、本作はよく合うといえます。

元新聞記者という経歴を持つ堂場さんが描く警察組織の描写は、リアリティの高さで定評があります。

組織と人間というテーマに惹かれる方には、特に読み応えがあるシリーズといえます。


注意点

シリーズ第1巻からの読み始めを推奨

本作は「日本の警察」平成編の第3巻、すなわち完結作です。

第1巻『鷹の系譜』(2022年6月)から第2巻『鷹の惑い』(2023年7月)という流れがあってこその完結編であり、いきなり本作から手に取ると、登場人物の背景や組織の関係性が掴みにくい場合があります。

また、昭和編という前段となるシリーズも存在しており、そちらから順番に読むことでより深い文脈を楽しめるといえます。

本作単体でも楽しめる可能性はありますが、シリーズの積み上げを存分に味わうためには、第1巻からの通読が望ましいといえます。


重厚で読みごたえのある作風

本作は約435ページのボリュームを持つ、読みごたえのある一冊です。

テンポよくページが進む娯楽小説としての側面もありますが、組織論や過去の事件の複雑な経緯など、じっくりと向き合うべき要素が多く含まれています。

短時間でさらりと読める作品を求めている方には、やや重厚に感じられる可能性があります。

時間をかけてゆっくりと物語に沈み込むような読書体験を好む方に、特に向いている一冊といえます。


おわりに

昭和天皇崩御の日から始まった「日本の警察」シリーズが、東日本大震災の翌年という舞台でついに完結を迎える——。

その事実だけでも、このシリーズが単なる警察小説を超えた「時代の証言」として機能してきたことが伝わってくるといえます。

高峰と海老沢、「鷹」と呼ばれる二人の刑事が、最後にどのような飛翔を見せるのか。

管理職という立場に就きながらも、過去の事件と向き合い、組織の壁を超えようとするその姿は、平成という時代に生きた人間のひとつの象徴的な肖像ともいえます。

堂場瞬一さんが長年にわたって積み上げてきたシリーズの集大成として、本作は警察小説の世界において記念碑的な位置づけになるとも評されています。

第1巻から読み続けてきた読者にとっては、感慨とともに向き合うべき一冊でしょう。

そしてこれから手に取ろうとする読者にとっては、第1巻から始まる長い旅への入口として、まずシリーズ全体の存在を知っていただく機会になるかもしれません。

平成という時代が終わり、新たな時代を生きる今だからこそ、あの時代を丁寧に描いたこのシリーズを読む意義は深いといえます。

警察という組織の中で、人間としての誇りを失わずに生きようとした者たちの物語——。

その最後の章が、2026年6月にいよいよ幕を開けます。

堂場瞬一さんの他シリーズについても、当ブログでご紹介しています。

ぜひあわせてご覧いただけると、より作家としての堂場さんの魅力が伝わるかもしれません。

鷹の飛翔

この記事があなたの読書選びの参考になれば幸いです。

おわり

ジャケドロ661

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